• 平岡大輔

Brand Summit Tokyo 1日目


ブランドサミット東京1日目で、面白かった話をシェアします。 ライオンの小和田さんと、日本HPの甲斐さんがスピーカをした「広告出稿において透明化したいポイント&プロセスとは?」というテーマのパネルディスカッションです。

広告費水増し事件についての各々の見解や、広告会社とクライアント企業がどう付き合えば良いのか?、そのためにどういう取り組みをしているのか?などについて話されました。

日本HPの甲斐さんの話がどれも納得・共感のいくもので、これほど考え方の近い企業の方とお会いしたことがありません。甲斐さんの考え方はこうです。

・みんなマーケティングを難しく考え過ぎ ・認知を取る施策と獲得をする施策とはどうにも繋げられない(一気通貫するためには溝がある) ・クライアント至上主義が蔓延している ・日本にはサービスに対してお金を払う商習慣がない ・デジタルは必須スキル(デジタルを理解していない人はマーケティングに関わる資格はない) ・デジタルだけ理解できていてもだめ(消費者はデジタルの世界だけでいきているわけではない) ・オペレーションはどんどんAIに任せて、マーケターは人の気持ちを理解して、心をゆさぶることに専念する

思想がもうどんぴしゃで驚きました。

日本企業がフィー制を導入できない理由

なぜ日本企業ではクライアント至上主義が蔓延しているのか?という問いに対しては、働き方に問題があるという指摘をされました。

転職機会が少なく発注側しか経験していない担当者が多いことが原因ではないかということです。 相手の業務を理解していないため、何かを依頼した時に発生する業務について想像ができないため、クライアント至上主義、サービスへの対価を良しとしない状態に繋がっています。

欧米では広告会社側とブランド側どちらも経験している人の割合が多いため、相互理解ができ、フィー制も導入し易いのだと思います。

ライオンの小和田さんは、フィー制を導入できない理由として、担当者によって単価が違う時に、その単価の差がなんなのか?が明確にわからない、報酬が妥当かどうかの判断ができないということを話されていました。

サービスに対しての値付けができないと、こういう考え方に至らざるを得ません。

広告会社との取り組み方について、ライオンさんでは広告会社に対する評価制度を設けているそうです。得点が低くなったら切るという判断基準に使っているのではなく、それを元に前向きに取り組み方を見直していくために使っているそうです。

外資系の企業では評価制度はよく取り入れられているようで、クライアント側からだけではなく、広告会社側が企業を評価することもしているらしいです。

結局、良い仕事をしていくためには、コミュニケーションによる相互理解が大切だということですね。

マーケティングにデジタルを活用していくためには?

デジタル領域については、クライアント側が広告会社側には任せておけないという考えを持っているものの、広告会社と取り組む以外の選択肢を持ち合わせていないことが、ビジネスのデジタル化を遅くさせている原因だと僕は思っています。

そう思いながらも何故広告会社を飛ばして、各分野のプロたちと取り組まないのか?それはクライアント側もデジタルに対する不安があるからだと思います。

専門特化したパートナーと取り組んでいくためには、彼らと会話できるのに十分なその分野に対する知識が必要になります。個々の施策を有機的に機能させるための体系だった理解も必要です。

でも経営者や担当者がデジタルを熟知しているわけでもなく、自社としての正解の見つけ方もわかっていない企業では、なんでも相談に乗ってくれる広告会社に頼る以外の選択肢が無い状況なのだと思います。

そこで広告会社がデジタルへの造詣が深ければ、それで全て丸く収まるけど、そうじゃないところが大きな課題です。

これを解決するためには、クライアント側のデジタルリテラシーを高めて、各専門分野のプロたちと全体最適を目指せるようにする。もしくは、広告会社がデジタルリテラシーを持った社員を育てていき、企業の事業課題を解決できるパートナーになっていくことが考えられます。

マーケティング担当者と広告会社の目指すべき形

日本HPさんでは新しい取り組みとして、オリエンをして提案を受けるスタイルではなく、事業課題の定義をするころから付き合いのある代理店を全て集めてmtgをするスタイルを始めたそうです。ここで出た課題と解決の方向性に対しての具体的な策を、各社に提案してもらうというやり方です。

これ凄く良いと思いませんか?企業からは事業収支の状況や自社に蓄積されている情報も含めて開示して、同じ情報量を元に課題解決の糸口を探していけるので、提案の精度が高まります。

広告会社の提案が事業インパクトの出せない提案になりがちなのは、事業に関する重要な数値や情報を持っていないことが一つの原因だと思っています。

取り組み始めたところなのでうまく機能するのかはまだわからないみたいですが、おそらくクライアント側の望むレベルでの提案はなかなか出てこないのではないかなと思います。

これまではとにかくたくさんの人が反応するおもしろい企画、クリエイティブを提案することに専念してきた広告会社が、ビジネスプロセスを理解して、収益を上げるための提案を作れるとは思えないので。

ただ、その課題発見mtgの場で広告会社担当者の力量も計れますし、提案の精度に差が出るのは間違いないと思うので、このやり方を全ての企業で取り入れる方が良いなと思います。

このやり方を機能させるためには、企業担当者側のマーケティングリテラシー、デジタルリテラシーが十分に無いといけないという課題はついて回ります。それはそれでまた難題です。

#マーケティング

  • Facebook - Black Circle

株式会社テマヒマ 東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア39F

Copyright © 2015 Temahima .Inc   All Rights Reserved.