• 平岡大輔

顧客の期待値を超える肉の塊を出す店


顧客の満足は期待値調整によって作れる、というお話。

思い出せる限りで最高の接客をしてくれる飲食店に出会いました。後輩が見つけてきた「肉塊UNO」というお店です。3,500円で赤身の塊肉が食べ放題というコースが目玉です。

場所は虎ノ門ヒルズのほぼ向かいの路地脇。ひっそりと構えた店内には20席ほどのテーブル席。店の奥にはオープンキッチンがあり、パッと見渡せるちょっとしたバーくらいの広さです。

20時からの予約に少し遅れて到着。店の外にいたスタッフの方に予約の名前を聞かれる。予約してくれた後輩の名前を伝えると「●●様ですね、お待ちしておりました!」と常連客の連れが来たかのようなリアクションで店内に案内してくれました。もちろん後輩も今回が始めての来店です。

予約したコースは、まずお店のオススメのものが順に出され、あとは好きなだけ注文して食べられるという内容です。しかも時間無制限。

このお店の醍醐味は肉の塊をテーブルまで持ってきてくれて、スタッフの方が目の前でダイナミックに切り分けてくれるところです。

思わず写真に収めたくなります。スタッフの方もどんどん撮ってくれという感じで満面の笑みをカメラに向けてくれます。切り方も特に決まりがあるわけではなく、客の好みに応じて分厚く切ってくれます。

イチボ、ランプ、ソーセージ、鶏肉、豚バラ、羊肉、とバリエーションにも飛んでいます。間で箸休め的に野菜が提供されるのも良きはからい。

5人で予約して、1人が仕事のトラブルで遅れてました。お店の人はしきりに残りの1人の到着を確認してきてました。

時間無制限なのになんでだろう?と思って聞いてみると、塊のお肉をいい状態で提供したいからということでした。職人の心意気を感じる。

1周する頃にはもうかなり満足感がありました。胃袋は100%超えの状態。男4人が打ちのめされていると、「次はどれいきますか?」と風俗のキャッチのお兄さんの如く、無邪気な笑顔を見せながら次の展開を促してくる。

早く頼めと言わんばかりに新しい皿をテーブルに差し出してきました。我々も負けじと「じゃぁ、赤みを(さっぱりしたものしかもう食べられない状態)」と応戦。

肉を食べさせたい店と肉を食べに来た客、どちらが先に降参するか。ワインをがぶ飲みながら肉を食らう、ワイルドな食事にこちらも燃えました。

このサービス精神はお肉だけでなくお酒でも発揮され、ワインもかなり多めについでくれます。ラストオーダーで1人だけワインの追加を注文しました。すると、みんなもっと飲め!的な感じで他の人のグラスにもワインが注がれました。

20時から始まり、結局閉店(23:30頃?)まで居たのですが、最後の客になってもとっとと追い出されることもなく僕らが満足するまで付き合ってくれました。

普段は出さないお茶をサービスしてくれたり、我々のくだらないネタに加わって談笑してくれたり、終始気持ちの良い接客をしてくれました。もちろんお肉はおいしい。最後も店外で並んで見送りまでしてくれて、すがすがしい気持ちで帰宅の途に付けました。

「顧客の期待値の常に上をいく」これがビジネスにおいて大切なこと

「自分たちの提供するおいしい肉を、時間もお金も気にせずいっぱい食べて欲しい!」「全員満足させて返すんだ!」という気持ちがスタッフ全員から伝わってきました。

残ったワインをサ−ビスするくらいはお店としてはちょっとしたコストです。でもそのちょっとのコストをかけることで顧客の満足はかなり満たされます。

美味しそうだからそのお店に来たので、料理がおいしいのは当たり前です。事前の期待通りでは、十分な満足を与えて、また来たいと思われるお店にはなれません。

商品を選ぶ時、「こんな結果が得られそうだ」という期待値によって決断します。その期待値と商品が実際に提供できる価値とのギャップがあった時に、その商品に対して不満を感じます。

例えば、「2ヶ月でこんなに痩せられる!」と訴求していた商品を買って、2ヶ月経ってもそれほどの効果が見られなかった時は「騙された。失敗した」と感じ、それ以降買うのを止めます。

だからと言って、期待値が低いと商品の魅力を感じてもらえず買ってもらえません。そのため営業現場ではしばしば商品の価値が誇張され、期待値を高める行動が取られます。その結果、セールスに対するネガティブなイメージがついてしまっています。

営業時に期待値コントロールをしながら、少しその期待値を超える結果を用意できていれば、同じ商品であったとしても、顧客の満足度は変わります。

商品の価値をきちんと伝えることが営業の役割です。そして、その価値が必要なものだと感じてもらえる相手を探す、相手をそういう状態にすることがマーケティングの役割だと言えます。

参考:http://www.nikukai-uno.com/

#マーケティング

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