• 平岡大輔

ルイ・ヴィトンで経験した意思決定


今使っているのはルイ・ヴィトンの長財布です。財布は良いものを使った方が良いという話を聞き、おすすめされたので買いました。

小銭入れが無く、お札を入れる部分のマチもなくかなりスリムな形状。カードを入れるところも6つしかなく、シンプルなデザインでとても気に入っています。ただ、5年くらい使っているので、買い替えどきかなと思い、奥様の買い物のついでに、新しい財布を物色しに行きました。

同じものがあればそれを買うつもりで、新宿のルイ・ヴィトンへ立ち寄りました。こういうお店とは普段縁がないので、5年前に財布を買った以来の入店だと思います。独特の入りづらい感じを久々に味わいました。

さっさと用事を済ませて出たいと思っていたので、入り口付近のスタッフの方に財布売り場を聞き、男性の商品は2階だと教えてもらう。早歩きで店の中央に位置している大げさな螺旋階段を上り、2階へと進んだ。

質の高い対応

ちょうど男女がいくつか財布を出してもらって見ているカウンターを発見。接客中の売り場スタッフに声をかけるのはイケていないと思い、その男女の斜め左後ろで待機する。

いつものくせで勝手にミステリーショッパーを開始。客が待っている、その時スタッフの方がどういう反応をするのか?すると、こちらに気付き「いらっしゃいませ、こんにちは。何かお探しですか?」と挨拶をするスタッフさん。

「これと同じタイプの財布がほしいんですけど。」愛用の財布を出しながら説明する。すると、「同じものはご用意がないのですが、いくつか近いものがございます。少しお待ち下さい。」と受け答えをする。

「先客が放置されているけど、いいのかなー。」と動きを観察していると、先客に軽く断りを入れてから別のスタッフの元へ行く。絶妙なタイミングでの客捌き、さすが。そして程なく、別のスタッフの方がこちらに来てくれて、改めて要件を伝えて、僕の接客を始めた。

改めて要件を話し、似たような財布3点を出してくれた。1つは小銭入れのない長財布、僕の求めている形状のもの、もう1つはそれの柄バージョン、もう1つは小銭入れ付きタイプ。

1つ目のやつで即決かと思いきや、カードを入れる切れ込みが見開き左右にそれぞれ8つずつある。「16枚もなんのカード入れんねん!」と思わず突っ込む。どう考えても16枚も持ち歩くカードはないし、あったとしても全部入れると財布がパンパンになる。かと言って、入れていない状態だと意味のない切れ込みを眺めることになるし、迷った挙句、買わないという結論に至った。

意思決定要因を見極める

人は何かを買う時に、その人なりの意思決定をするための要因を持っています。それは1つとは限りません。僕の場合は財布に求める条件は3つあります。それは、薄い・小銭入れがない・余計な装飾などないシンプルなデザインの3つです。

今回は、無駄なカード入れの切れ込みがボトルネックでした。カードを入れると分厚くなる、カードを入れないと余計な装飾になる状況だったので、買うのを止めました。良い財布の条件に合う商品を提供しているお店は他にもあるだろうという判断をして、ルイ・ヴィトンでの購入を一旦止めました。

スタッフの方がセールスをしてきていたら、買っていたかもしれません。でも、こちらの意見に寄り添う返答しかしなかったので、自分の(弱い)意思を貫くことができました。

個人の趣味趣向がより強く反映される商品の場合、ターゲットがどういう商品を求めているのかを知り、それに合わせた商品をつくり、売ることが大切です。Market inの発想です。

ただ、ルイ・ヴィトンのようなブランド品はまた別です。作り手・売り手が良いと思っている商品を買いたい人が買うビジネスモデルだからです。買い手に合わせるのではなく、買い手が売り手に合わせる関係が成り立っている状態です。

もちろん、時代の流れに合わせて商品づくりをしているとは思いますし、人の物欲や自己顕示欲や承認欲求などを鑑みてもいるとは思いますが、市場の「こういうのがほしい」に迎合しているわけではないと思います。

この関係を築くためには、ブランドというものを確立させなければいけません。それは一朝一夕で成し得るものではないので、今今の事業収益を得る必要がある多くの企業にとっては、市場に合わせた商品づくり、コミュニケーションをしていくことが必要だと思っています。

#マーケティング #事業

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