• 平岡大輔

プロモーション=緊張+緩和


今年もいっぱいありましたね。エイプリルフールネタ。SNSが普及してからテレビなどに取り上げられなくても生活者の目に触れさせることができるようになって、この日は企業のネタ見せ合戦と化しています。

まとめサイトを見てみたらいろんな企業がいろんな趣向を凝らしてやってたみたいです。自分のタイムラインに流れてきたのは1つか2つしかなかったですけど。

ネタのパターンとしては、自社商品をもじるパターン、新しい商品を発売するパターン、サイトの様子が変わるパターンがありました。

たまたまタイムラインに流れてきたホットヨガスタジオLAVAが顧客の声にダルシムを起用しているネタは、まとめサイトを見るまでエイプリルフールネタだと気付いていませんでした。新しい切り口で興味喚起をしているおもしろいプロモーションだと感心して、普通にシェアしてしまっていました。笑

凝ってるなと思ったのはタニタとシャープのTwitterアカウントが入れ替わるという、「君の名は」に乗っかった企画です。元々SNSでいろんな話題を作っている2社が、「君の名は」という誰もが知っているコンテンツのストーリーに習って、アカウントの中身が変わるという企画をやりました。

「君の名は」をもじったネタをしている企業はいくつかありましたが、ビジュアルやタイトルをパロディ化するだけのものがほとんどです。その中で、世界観を持ち出すところに企業の習熟度が違うなと感じました。それだけ馬鹿なことに労を惜しまず取り組めるのも凄いと思います。

予定調和を超える

明らかな嘘と分かるようにしているのは、紛らわしいことをしてクレームになってはいけないという企業判断なのかもしれませんが、個人的には嘘か本当かわからないラインのネタの方がやり口としてはいいなと思います。

誰が見ても明らかな嘘は騙された感がありません。予定調和の中で動く物事に面白みはありませんよね。

エイプリルフールも「くそ!やられた!だまされた!」という感じがあるから盛り上がるのであって、「はいはい、いつものやつでしょ。」的なアプローチではその効果は小さくなります。

人の心を掴むには、「緊張」と「緩和」が必要です。物語に起承転結があるように、お笑いにボケとツッコミがあるように。緊張が強ければ強いほど、緩和の力が強くなります。緊張と緩和の落差が大きければ大きい程、人は大きく心を動かされます。

企業のプロモーションも同じです。人の知っていることをやっても誰も何も響きません。みんながやっていることをただやるだけでは誰にも響きません。やるなら期待を超えていかないといけません。

エイプリルフールネタに乗っかること自体、市場の予定調和に身を投じていることになります。既にこの時期のPR手法として織り込み済みになっていますよね。

当たり前になると、小手先の演出では予定調和を越えられなくなってきます。なので各社毎年趣向を凝らしてきています。本物だと思わせる作り込みと投資をしている企業のエイプリルフールネタは秀逸です。

自社だけで完結するのではなく、他社を巻き込んだ企画が増えてきているように感じました。ディアゴスティーニとライザップのようにメディアとコンテンツのタッグは相性が良いみたいです。タニタとシャープは他では中々真似できないタッグだったと思います。

手法に効果があるのは最初だけ

でも徐々にその効果も薄れてきているのではないかと思います。手法だけで効果を得られるのは初期段階だけだと思います。プレイヤーが増えてくると、他社との競合、生活者の慣れを超えるためにクリエイティブの力の重要度がましていきます。

企画力が必要になります。そこにかける時間とお金も必要になってきます。広告も同じです。新しい媒体ができた時は(今ならLINEとかがそうだと思います)、目新しいので反応を得やすくなります。でもそれが当たり前になってくると、受け手は慣れてしまい徐々に無視する対象になっていきます。

そこで反応を得るためにはより意識を惹きつけ興味喚起をするためのクリエイティブが必要になります。クリエイティブを開発できない企業は焼畑農業のように、次の新しい餌場を探して場当たり的にメディア難民を続けることになります。

結局、「誰に」と「何を」を最大化できる企業が勝つんだと思います。

参考:http://getnews.jp/archives/1677465

p.s.

ロシア外務省のエイプリルフールネタが攻めすぎと話題になってます。笑

http://www.huffingtonpost.jp/2017/04/01/april-fool-day-russia_n_15751382.html

#マーケティング #広告

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