事業という山の登り方

4/3/2016

 

ガリガリ君の新CM見ましたか?

 

10円の値上げを謝罪するCMです。赤城乳業の社長以下社員総出で、本社屋前に直立し、頭を下げるという内容です。「値上げはぜんぜん考えぬ 年内値上げは考えぬ 今のところ値上げは見送りたい すぐに値上げは認めない・・・」というゆるいBGMと、真剣なおじさん達の眼差し。シュールな内容にどんどん引き込まれます。このCMもまたFacebookのタイムラインで流れてきたものでした。


テレビは主婦と高齢者が主な視聴者層になりました。拡散させやすい動画コンテンツとして発信することで、僕ら世代にも届くCMもになっているなと感じます。

 

先日書いた記事で紹介した日清の「OBAKA’S UNIVERSITY」のCMもそうですが、他とは違う特徴がないと人には気付かれないし、刷り込みによって気持ちも動かすことができません。

 

世の中の広告は、社名を他の会社のものにしても違和感のないものが多いと思います。つまり個性が無いということです。出稿量による刷り込みもあるとは思いますが、思い出される広告には個性があります。

 

そして多くの場合、「そんなことやっちゃうんや!?」という驚きの要素が含まれています。人の認知を得て、興味を引くという意味での成功する広告には、いつも事業主側の思い切りがあると思います。効果の出ない広告が多いのは、作り手の問題ももちろんありますが、出てきた案を許容できない事業主側の度胸の無さもあると思います。

 

 

誰がプロなのか?


広告クリエイティブのプロではない事業主側が、個人的なイメージでアレコレと具体的な注文を出し、御用聞きの広告営業担当がそれを持ち帰り、誰の気持ちも動かせないなんとも自己満足な広告が仕上がってしまっているのが現状です。もちろんクライアントを説得しきれない広告会社側に責任があるのは間違いありませんが。

 

仕事をする上で、サービスを提供する側が相手の課題を解決するプロなのだから、相手の意見を聞き入れることが正しいとは思いません。「顧客のことを考える」を履き違えているため、相手の言いなりになってしまっている状況が良くあります。

 

サービス提供側が取り入れるべきは、事業主しか持っていない情報です。例えば、企業の中の話や、企業が持っているエンドユーザーの情報などです。広告表現について事業主側は、それを作っているクリエイターの意見を大切にすべきです。ただその時、エンドユーザーを無視した内容になっていれば指摘をすべきです。

 

当たり前のように思えるこの現象が、特にBtoBの商売では横行していると思います。お客さんが自分自身で知り得た情報から、「こう思う、こうして欲しい」と言ってきても、それがプロの立場からすると正しくないものであれば、はっきりと正しくない、何故こちらの提案が良いのかを説得して、正しいと思う方向へ進めなければいけません。それがプロの仕事だと思います。

 

お医者さんの診断結果に対して、「いや、自分はこうだと思うんです。」という患者の意見を、お医者さんが全て取り入れて処方していたら、医者はいりませんよね?素人の判断が正しいわけがありません。


僕自身もネットで症状を調べて「これはもしかしたらこの病気なんじゃ・・」と憶測して、医者から大したことないという判断がくだされると、「いや、もっとちゃんと見てくれ、ネットで出てた症状と同じ感じや。このやぶ医者め!」と思いながら、もらった薬を飲んで数日安静にしていたら、何事もなかったかのように完治。ということは良くあります。

 

 

これって、ビジネスの世界でも良く起こっている現象

 

いろんな情報サイトがあり、日々最新ソリューションや成功事例などが紹介されています。手軽に情報が得られるようになっています。

 

本質を捉えず、小手先の手法で頭でっかちになったマーケティング担当者が、施策のプロである(はずの)パートナー企業にあれこれ注文を出します。

 

山の登り方はひとつではありません。確実に山頂に近づくために、平坦な斜面を地道にじっくりと登っていくのが得意な案内人も居れば、切り立った斜面を死の危険と共に登っていく案内人も居ます。

 

自社が登ろうとしている山の形状、これまで登ってきた距離、持っている装備などで、適切な登り方は変わります。それなのに、「あの崖の登り方が最短のルートだった!」「この最新式の装備があればサクサク登れる!」「あの有名な山も登ったことがある案内人!」などという情報に振り回され、山の中腹で右往左往している事業主があまりにも多いと感じます。


うまく事業を進められている企業さんでは、マーケティング担当者の方はとても知見があり、何を自分たちでやり、何をパートナーに任せるかのすみ分けがきちんとできています。そういう方たちが施策に対して主張をしていくのはビジネスを加速させるためには必要です。

 

でも、勉強も実践もしていない中小規模の会社のワンマン社長の方が、自身の好みによって鶴の一声を発生し、広告表現が決まってしまうことがよくあります。「なんでこうなってしまったんやろう・・」と思わざるを得ないような広告になってしまいがちです。


サービスを提供する側は、ひとつひとつのプロジェクトを請負仕事と捉えず、公平なパートナーとして価値を発揮するように仕事に取り組んでいれば、違うと思うことは違うとクライアントである事業主にも主張していけるはずです。プロなのであれば、すぐに納得いただけなくても、説得するために十分な情報を持っているはずです。

 

 

僕もいろんなパートナー企業さんとお付き合いをしてきました。でも今でもお付き合いしているパートナー企業さんは、僕の意見を鵜呑みにするのではなく、プロの立場で主張をしてくれる人たちです。

 

自分が全て知っているわけではない前提に立って、協力関係を築く姿勢で仕事をしていくことで、多くの場合はうまく進められます。仕事を通して信頼を得てきた人たちが周りに集まっています。

 

p.s.
ガリガリ君新CMのBGMは、今回用に作られた歌かと思いきや昭和の名曲「値上げ」だそうです。

なんとも素敵な歌です。

タグ:マーケティング

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