「自分を売る」は詐欺師の商法

6/19/2017

 

クライアントとビジネスパーソンの服装の話になりました。

 

僕はこの季節はTシャツとくるぶし丈のパンツとスニーカーという装いです。もともとの知り合いや信用してくれている人からの紹介で取引先を見つけている状況なので、服装で判断される場面が少ないため、これでも仕事ができています。


服装と仕事で発揮する価値とに何の因果関係も無いというのが持論です。おそらく新規営業などをしていればスーツでカチッとしておかないと仕事が取れないと思います。

 

なぜなら僕のことを知らない相手に自分を売り込みにいくことになるからです。僕がどんなことをしていて、どういう価値提供ができるのかわかっていない相手に、自分の提供できる価値について説明する時、1番に相手に伝わっているのは目から入ってくる僕の身なりの情報です。

 

その時、カチッとした格好でない時点で「仕事できなさそう」という印象を持たれたり、固い考え方の人だと「きちんとした格好をしてない時点で信用ならん!」と思うと思います。

 

特にBtoBの仕事をしている人たちはカチッとした格好は大前提のように捉えられています。今でこそ、クールビズなどで多少カジュアルな装いも受け入れられてきていますが、この時期ジャケットを着て汗だくになりながら移動しているサラリーマンをまだ見かけます。6月なのに気温が30度近くになっている亜熱帯日本で、まるで我慢比べです。

 

広告会社に勤めている時、朝礼で社内で仕事をしている時にネクタイを外していることを指摘された経験があります。朝礼で役員が「恥を知れ」的な檄を飛ばしてましたが、その時目の前にいた人たちは全員ノーネクタイで、僕の横にいる黒光りした先輩はシャツのボタンが4つくらい開いてました(笑)。同僚しか居ない空間で誰に対してカチッとした装いを示す必要があるのか疑問でした。

 

きちんとした身なりが必要とされる理由

 

 

なぜビジネスシーンにおいてはカチッとした格好がスタンダードなのでしょうか?
それは見た目はその人の「信用」を形作る要素のひとつだからです。特に目から入ってくる情報は最初に伝わります。その人の印象がそこで決まることも多々あります。


ビジネスシーンでは見た目も含めたその人の印象がクライアントの評価対象になりがちです。「顧客に気に入られてなんぼスタイル」が定着しているためです。できるだけきちんとした人という印象を与えないと、相手は心を開いてくれないどころか話すら聞いてくれないからです。これは、テレアポや飛び込み営業などが営業活動の主流だった時代の考え方だと思います。

 

 

男性のビジネスパーソンは未だにスーツが基本スタイルです。でも女性のビジネスパーソンはカジュアルな様相がスタンダードです。なぜこうも男女の扱いに差があるのか?

 

それは男性社会において女性が自分を売るということは、女性らしさをアピールすることに他ならないからだと思います。正直おじさん相手にキラキラやり手女子と戦っても勝てる自信がありません。

 

一方男性ビジネスパーソンは、世の中の決済者であるおじさんたちの「自分たちもそうしてきた」という相手の文脈に合わせないと、相手にしてもらえない可能性があります。この「自分たちもそうしてきた」という文脈があるために、生産性に何も影響しない社内においてのカチッとした服装の推奨が起こっているのだとも思います。

 

商品に価値があれば誰が売っていてもいい

 

 

BtoCの企業ではそこまで服装がビジネスに影響することはありません。なぜなら顧客の信用が必要なのは商品そのものだからです。企業は商品を通して市場から評価されます。商品の評価が低くて企業の評価が高い状態はありえません。

 

営業の現場では「商品ではなく自分を売れ」とよく言われます。これは扱っている商品自体に価値がない、もしくはどこでも似たような商品が買える場合はその通りです。顧客に価値提供できるものに違いがないのであれば、それを売る人で差別化を図らないと売れません。

そのため接待や贈り物をして商品ではないところで自分という人間のメリットを感じさせたり、すぐに値引きをして商品価値を下げてしまったりします。

 

広告会社はその最たるものだったと思います。仕事が決まれば接待、プロジェクトが終われば接待、昇進情報をいち早くキャッチしてお祝いの品を持参、年末に挨拶に行って、数日後の年始にまた挨拶に行く。


人との関係で仕事が生まれている感じがして嫌いではなかったですし、今の自分の仕事上のコミュニケーションの取り方のベースづくりをしてくれたのは間違いありません。でも今は、本質的な価値提供を第一に考えて仕事をしたいと思っています。

 

 

そもそも商品に自信があればそういうことにはなりません。顧客に価値を提供するのはBtoCと同じで商品だという状況であれば、BtoBでもそれを売っている人がどんな見た目の人であっても何ら問題はないはずです。


商品に信用がないから売っている人を信用してもらうしかありません。でも商品が信用される状態を作れば、自分を売り込む必要なく売れるようになります。その状態を作るのがマーケティングの役割です。

 

そういう意味では見た目を気にする人たちがまだまだ多い社会なので、見た目をかちっとするのは戦術の1つだとは思ってます。詐欺師の身なりがきちんとしているのはその効果を期待してのことですね。

 

タグ:マーケティング

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